円形脱毛症の治療に有効なステロイド療法|局所注射・内服・外用・点滴

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円形脱毛症は免疫疾患による脱毛症ということで
ステロイド療法が最も有効的な治療の一つといわれています。

ステロイド剤とは副腎(腎臓の上部にある器官)の
皮質という部分から分泌されるホルモンから作られた薬の事です。

炎症や免疫機能を強力に抑制する働きがあります。

ステロイド剤の処方の仕方は4つに分かれます。

1・局所注射

文字通り注射を使って患部に直接ステロイド剤を処方します。
(患部以外の部分(尻等)に注射する場合もある)

ガイドラインではB判定を付けられており
円形脱毛症の治療の中では最も高い評価を受けています。

塗り薬より効率的に患部に届くと思われるので
一番効果的なのかもしれません。

2・外用

塗り薬を患部に塗る方法で
主に軽度な単発型で用いられます。

多発型や蛇行型などに症状が悪化したとき
注射と併用して用いられることもあります。

皮膚への浸透はいまいちなので
それほど効果は望めないともいわれるが
最も一般的な治療法となっている。

ガイドラインではC1判定である。

3・内服

錠剤を呑む治療法で
外用薬よりは効きそうなイメージがあるが
ガイドラインでは同じくC1判定です。

内服の場合1日に1回だけではなく
複数回に分けたほうが効果が高いと言われる。

服用量はステロイドの強度により異なってきます。

4・ステロイドパルス療法

点滴により3日間ほどの短期間で大量に処方する方法です。

大量と言っても副作用のリスクが少ないのが特徴で
初期状態や脱毛範囲が広い全頭型や汎発型の治療に有効とされる。
(これもガイドラインではC1判定)

ステロイド剤の注意点は副作用です。

処方すると副腎のステロイド分泌機能が低下するので
急にやめると倦怠感や吐き気、頭痛、血圧低下などの
症状が出る場合があります。(ステロイド離脱症候群)

よって減らしていきたいならば
病気の症状を見ながら少しずつ行う必要があります。

そして長期間の服用は感染症を引き起こしたり
糖尿病、骨粗しょう症、消化性潰瘍、高血圧、
高脂血症、筋力低下、白内障、緑内障などのリスクも高まる。

子供の場合は安全性が確認されていないので
(成長ホルモンの合成を抑制するため)
なるべく避けたほうがいいと思われますが
シロップとして処方されることもあります。

便利な薬ではあるのですが
リスクも多くはらんでいるため十分注意しましょう。

外用薬で肌に異常がでたら使用を中止したり
内服薬は飲み忘れたからといって一度にたくさん飲まない、
医師の言うことをしっかり聞くなどですね。

あと医師が十分な説明してから処方してくれる
インフォームドコンセントが充実してるかも重要だと思います。

円形脱毛症診療ガイドラインについてはこちら