グラフトの基礎知識 植毛を正しく理解する為の大切なこと

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植毛 グラフト

グラフト(株)のことを理解することは
植毛を深く理解することに繋がります。

ちょっとややこしい部分なので
わかりにくいかもしれませんが
学んでおいて損はないと思います。

クリニック選びの参考になりますし
将来の満足度も違ってくるはずです。

・グラフト進化の歴史

自毛植毛の話でよく出てくるグラフト。

移植片の1つの単位のことを意味し、
和訳では株と表現されます。

人工毛の場合は1つの単位が
人工で造られた毛髪1本となりますが
自毛植毛の場合は違います。

1つの毛穴から複数の毛が
生えているのを拡大写真などで
見たことある人は多いと思います。

現在はその1塊を1つの単位として
植毛するのが主流となっています。

昔(1960年代以降の30年ほど)は
パンチ式植毛が主流でした。

3~4mmの大きな径でくり抜く方式で
現在でいうFUEの前身となる技術です。

それほど大きなグラフトだと
植え付けたら不自然になってしまうので
次第にグラフトが小さくなっていきます。

1株に3~6本生えてるのがミニグラフトで
1~2本のものをマイクログラフトと呼び、
マイクロ・ミニグラフト植毛術が確立。
(1990年代前半)

90年代後半には今ではおなじみの
FUTが開発され、更に仕上がりが
良くなっていきます。

・自毛植毛におけるドナーの最小単位

特に重要なポイントはここからです。

FUTはフォリキュラーユニット
トランスプランテーションの略ですが
FU株を一つの単位としている植毛術です。

FUとはフォリキュラー・ユニットの略で
毛包単位という意味になります。

さきほどのマイクログラフトや
ミニグラフトというのは
株の大きさを表現してるものです。

いわば少し古い言い回しです。

FUとは1つの毛穴単位、
つまり最小単位を意味します。

FUは太い毛が1~4本と、
産毛が1~2本、起立筋、皮脂腺が
セットになっているもので、
それらをコラーゲンが覆っています。

マイクログラフトやミニグラフト、
パンチグラフトといったものは
FU株が複数含まれたもので、
いわば雑なドナーともいえます。

ややこしいのは更に新しい分類が
2004年に登場したこと。

それはMFU株という分類です。

Mとはマルチという意味で、
複数のFUを含む株というものです。

2つのFUを含むとダブルFU株、
3つだとトリプルFU株といった具合です。

ここでちょっとした疑問が
浮かんだかもしれません。

先ほど登場したミニグラフトや
マイクログラフトといったものと、
MFU株はどう違うのかと…

この点はかなり議論されたそうで、
専門医の間でも意見は異なると思います。

当ブログ的にはどちらも同じだと判断しています。

ここで何が問題になるのかというと、
手術の考え方や精度に曖昧さが生じる
可能性が出てきます。

そもそもFUTとは何かを
もう一度確認しておきたいと思います。

FUTとは1つのFU株を最小単位として
行う植毛術のことと定義されてます。

「1つ」というのがポイントですね。

それを省いてしまうと
複数のFU株を用いた場合でも
FUTと言えてしまうことになります。

最近流行っている?複合移植は、
1つのFU株と複数のFU株を
混合して使う植毛術のことを指します。

つまり厳密なFUTより仕上がりが
良くならない可能性を孕んでいます。

材料は細ければ細かいほど
仕上がりはきめ細やかになるのは自明の理。

FUEも基本概念は同じのはずなので
複数のFUを含む株を使用するのであれば
FUEとは呼べないかもしれません。

近年は機械を使ってドナーを採取するところも
ありますがそれだと1つのFU単位で
採取できないので仕上がりも必然的に
不安を残すことになります。

・グラフト知識のまとめ

ややこしかったと思うので…(笑)
ポイントを整理してみます。

・自毛植毛におけるドナーの最小単位はFU株

・FU株を複数含むドナーがMFU株

・仕上がりが最も自然になりうるのは
「1つのFU株」のドナーを用いるFUT

・MFU株はFU株より大きいドナーなので
仕上がりが不自然になる可能性が高まる

すごく専門的で細かいことだと思いますが
そこまで自分で理解できていれば
良心的なクリニック選びに役立ちます。

専門家ならそういう詳しい話でも
しっかり把握しているはずですし、
根拠もしっかり明示したり
疑問に親身に対応してくれるものです。

カウンセリングを受けてみて
もしそうでなかったとしたら…
一度考え直すのが重要だと思います。

それは知識があってこそできること。

知識がなければ美人なカウンセラーや
医師の言うことを鵜呑みしてしまうだけで
後悔することに繋がりかねません。

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