松の実と育毛の関係を改め考察|栄養素や注意するポイントの補足

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ナッツ類は全般的に栄養価がとても高い食品であり、
髪の健康にも貢献してくれると言われるほど評価が高いです。

今回は松の実について改めて考察していこうと思います。

松の実は過去の記事(269)で一度紹介しているのですが、
トップテンオブシティ(アメリカのサイト)において
ナッツ類が高い評価を得たということで深く考察する必要があると思い、
改めていろいろ補足していきたいと思った次第です。

まずは脂肪酸について考えていこうと思います。

松の実は100g中70g弱の脂肪酸を含んでおり、
ナッツ類の中でもトップクラスの含有量を誇ります。

そのうち90%以上が不飽和脂肪酸で占められています。

脂肪が多いとカロリーが高くなるからと敬遠される傾向にありますが、
脂肪は細胞の材料となる重要な成分であり脂肪細胞を膨らませるのは
糖質が主ですので誤解している方が数多くいらっしゃいます。

むしろ脂肪分は他の栄養素よりエネルギーを多く得やすい、
というメリットをもっと強調してもいいと思います。

そしてピノレン酸について補足です。

ピノレン酸とはリノレン酸の一種なのですが、
五葉松という種類の松の実にしか存在が確認されていない
極めてめずらしい種類の脂肪酸です。

一般的な松の実の栄養成分を調べるとリノレン酸が
100g中わずか0.1gほどしかないと表記されてますが、
それはα(アルファ)リノレン酸のことを指してると推測されます。

リノレン酸というとふつうはα-リノレン酸のことを指しますが、
ピノレン酸は同じ脂肪酸の仲間でも似て非なるものです。

また、リノレン酸は別名でオクタデカトリエン酸とも言われるですが、
ピノレン酸はあくまでピノレン酸ということになります。
(よって前回の記事のピノレン酸(別名オクタデカトリエン酸)という表記は
正確ではないのでお詫びして訂正致します。)

ピノレン酸で注目なのはリノール酸の活性を抑えることです。

リノール酸は体内で作り出せることが出来ないので
必須脂肪酸の一種ではあるのですが一時のブームが発端となって
質の悪いサラダ油が数多く出回るようになってしまい、
現代人はリノール酸ばかり摂取してしまう傾向にあります。

必須脂肪酸とはいえバランスが重要になるのは言うまでもなく、
リノール酸ばかり取るとアトピーなどのアレルギー症状や
コレステロールのバランスも崩すことになりかねません。

ピノレン酸は摂り過ぎたリノール酸の働きを抑える作用があり、
皮膚のかゆみを抑える効果が期待できると言われています。

その他にも鎮痛・解熱・抗炎症作用や、
赤血球の柔軟性を高め毛細血管にもスムーズに流れるよう
アシストする作用、そして食欲を抑制するとされる
コレシストキニンというホルモンの分泌を促す作用もあると言われています。

赤血球の健康は血流などにも関係があると考えられ、
無用な食欲を抑制できれば食べ過ぎを防ぎ胃への負担や
活性酸素などの毒素を無駄に発生させないことにも繋がるとも考えられます。

つまりそれは間接的に髪の健康にも寄与してることになるのではないでしょうか。

松の実(特に五葉松)には特殊な栄養成分も含んでいることから育毛的にも役立つと期待できます

次に、脂肪酸以外の栄養素についての補足と訂正です。

前回の記事では松の実の脂肪酸以外の栄養成分は
タンパク質とミネラルと合わせて30%ほどであり、
その割合は大豆と匹敵するとお伝えしましたが、

あくまでそれはタンパク質とその他の成分の合計であり、
かなり正確さに欠ける表現となってしまいました。

正確には松の実のタンパク質量は10%ほどで、
大豆は30%ほどということになります。

また、陸の牡蠣という異名があるだけに
亜鉛の含有量は100g中6.9g程とかなり多い方ですが、
実はかぼちゃの種の方が多かったりします。(7.7gほど)

それでも多い方なのは事実なので良い特徴なのは間違いありません。

その他の栄養素、ビタミンや食物繊維も色々含まれてるので
特に松の実に限ってすごいというポイントはないですが、
いろいろ含んでいるのは他のナッツ類と共通しています。

よって下手なサプリを飲むより松の実を食べたほうが
よっぽど髪にとっても健康にとっても有益だと考えられます。

・注意点についての補足

一般的にナッツ類は脂肪分が主となる食べ物なので、
少ない量でもカロリーが高めになる特徴があります。

糖分やタンパク質は1gあたり4kcal(キロカロリー)で、
脂質は1gあたり9kcalとされているためです。

しかし前半でも少しだけ触れましたが、
エネルギーとして脂肪細胞に蓄える主な要因は糖質なので、
脂質はほとんど太る原因にはなりません。

また、カロリーという考え方自体も曖昧な点が多いことから
実はあまり参考にならなかったりします。

もちろん食べ過ぎは良くないので多くても
手のひらに乗るくらいの量にセーブしたほうがいいでしょう。

いくらピノレン酸という素晴らしい成分を含んでいたとしても、
リノール酸の含有量も100g中30g以上を占めているので
食べ過ぎは結局バランスを崩すことになりかねません。

松の種子技術開発研究会によると、
松の種子オイルには45.5%がリノール酸で占めてるとされるので
一般的な松の実より多い可能性も考えられます。

そんなこんなで松の実にもいろいろ注意点はあるものの、
育毛的には役立つと思われる要素が多いので食べる価値はあると思います。

また、言い忘れるところでしたが五葉松の種子には
SPNという特殊な成分も含まれており、免疫力を強めたりして
癌やウィルスに強い体づくりにも期待されています。

体の抵抗力が増すと全身の細胞の働きも活発にあるので
そういう意味でも髪にも良い影響を与えると言えるかもしれません。

ヨーロッパ、アメリカ、中国など世界中で古くから食されてるものは
現代に溢れる添加物だらけのまがい物とは比べ物にならないほど
すばらしい特長があるので機会があれば活用してほしいと思います。

ちなみに松の実は人口では受粉が難しいとされ、
採取に手間取る理由も重なってかそんなに安い代物ではありません。

しつこいかもしれませんがそういう意味でも食べ過ぎは控えたほうがいいですね。

正確な相場はわかりませんが
アーモンドと比べると2倍以上の価格差があると感じます。

<他のナッツ類の考察記事一覧>

⇒アーモンド

⇒カシューナッツ

⇒くるみ

⇒ピスタチオ

⇒マカダミアナッツ

⇒かぼちゃの種

⇒ヘーゼルナッツ

⇒ピーカンナッツ

⇒松の実(この記事)

⇒ひまわりの種

⇒スイカの種

⇒栗(くり)

⇒銀杏の実(いちょうのみ)

⇒胡麻(ごま)

⇒ブラジルナッツ

⇒椎の実(しいのみ)

⇒ココナッツ

⇒ナッツ類の考察まとめ

<参考>

⇒トップテンオブシティが発表した髪にいい食べ物ランキング

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