毛髪再生医療の臨床試験が2016年から開始! 新たな移植法

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育毛と再生医療

今回は久しぶりに毛髪再生医療についての話です。

前々からそのような話は出てきているので
いろいろ調べてる人にとっては常識かもしれません。

しかし2016年の7月から
やっと臨床試験が行われるという
具体的な動きが見られるようになったので
改めて興味深く感じさせられました。

早ければ東京オリンピックの前にも
技術が確立すると言われているので
とてもワクワクする話題です!

もちろんすぐ一般に普及するかはわかりませんが
昨今の技術革新のスピードは計り知れないものがあり
思ったより早く普及する可能性もあります。

・毛乳頭よりも前の組織が鍵を握る?

では本題へ移っていこうと思います。

まず毛髪再生医療について簡単に復習です。

毛髪再生医療とは発毛を促すと思われる細胞を
頭皮から直接注入するという手法のことです。

東京医科大学病院と資生堂が協力して
2016年7月から毛髪再生の臨床試験を開始し
とても注目されているようです。

なんでも毛髪再生に関する
臨床試験は初めてらしいです。

どのような試験かというと、
毛球部毛根鞘細胞という細胞を取り出し、
それを3ヶ月ほどかけて100万個にまで増やし、
髪が薄い部分に注入するというもの。

毛球部毛根鞘細胞は、
「もうきゅうぶもうこんしょうさいぼう」と読みます。

あまり聞き慣れない細胞名だと思いますが
それこそが毛髪再生の鍵を握る細胞です。

これまでの育毛の常識と思われる仕組みは、
毛乳頭細胞から毛母細胞に指令が出て髪が伸びる
というものだったと思います。

しかし毛乳頭細胞よりも前にも
髪が伸びていく仕組みがあったことになります!

すべての起点は毛乳頭にあると思われていましたが
更にその前にも重要な組織があったんですね!

つまりすべての起点は毛球部毛根鞘細胞で、
それが不活性になることで薄毛にあると考えられます。

逆にいうとそれが活性化出来さえすれば
髪がまたどんどん生えてくれるということになります!

臨床試験では後頭部の組織を取り出し培養したとのこと。

その点は自毛植毛と理屈は同じです。

自毛植毛は男性ホルモンの影響を受けない
後頭部の毛髪を移植するというものです。

おそらく毛球部毛根鞘細胞もまた、
前頭部・頭頂部と後頭部では
性質が違うのかもしれません。

とにもかくにもまだ臨床試験は始まったばかりなので
待つしかありませんが早ければ2018年にも
実用化に漕ぎ着けたいと目標を掲げてるそうですので
そう遠くない将来にお目見えできるかもしれません!

臨床試験が行われているということは
すでに動物実験では安全が確かめられ
成功しているということを意味します。

マウスでの実験ではすでに毛を生やすことに
成功しているようなのでとても楽しみな話です!

また、理化学研究所と京セラのチームでは
毛包そのものをゼロから作り出すという
研究も行われているといいます。

今後は同じ再生医療であっても
いろいろ選択肢が増える可能性もありますね。

AGAをはじめ怪我などで髪の組織が死んだとしても
簡単に再生できる日も近いかもしれません。

・毛髪再生医療といえど万能ではない

もちろん物事はいいことばかりではないので
悪いことも視野に入れておきましょう。

夢の技術と言っても差し支えない毛髪再生医療ですが
いろいろデメリットも考えられます。

まずは定番の価格問題。

今後も健康保険が薄毛治療に適用される可能性は薄く
大変な手間や技術を要することから
ものすごく高いことが予想されます。

かなり一般に普及してきた植毛ですら
何十万とかかるのがふつうですから、
少なくとも数百万レベルかと思われます。

一生生え続ける可能性もあることから
高いか低いかは人それぞれ感じ方は違いますが
かなり高い投資になることは否めません。

そして未知の副作用についてです。

細胞の働きをはじめ人間の体の仕組みは
まだまだ未解明な部分が多く、
本当に安全かどうかもまだまだ未知数といえます。

とくに人工的に創りだしたiPS細胞などは
暴走する危険性も指摘されていて
まだまだ再生医療自体は未知の部分が多い分野です。

毛球部毛根鞘細胞に関しては
培養して増やすということで人工的な万能細胞は
使用しないと思われるのでまだマシに感じますが
注意深く見守る必要はあるでしょう。

そして、再生医療そのものが万能ではない
ということも考慮しないといけません。

結局のところ髪が減る大きな原因は
食生活にもあるのですから
そこも意識しないといけないのは当然です。

画期的な治療法に注目するあまり
それに依存するようになってしまえば、
髪が抜ける前に大病を患い、
違った意味で人生が台無しになる危険性もあります。

そんなこんなで再生医療といえど
無敵とは到底言えない代物ですので
基本を忘れないようにしてほしいと思います。