比較的新しい薄毛の治療法として
一部のクリニックで実施されているHARG(ハーグ)。
幹細胞を用いた近未来の治療法として
盛んに宣伝されています。
実施しているクリニック曰く、
発毛効果は99%あるとのことですが
その効果とはどの程度のものかを考察していきます。
当ブログ的には懐疑的に見ています。
・ハーグの治療方法
まずはハーグがどんな治療法なのかを見ていきます。
幹細胞という細胞の元となるものから
抽出された複数のタンパク質(成長因子)を
頭皮から注射などを使って直接注入する手法です。
幹細胞は人間の女性から取り出したとされる
脂肪細胞が由来となっており、
成長因子はその名の通り
髪の毛の成長に関係する物質の総称です。
脂肪細胞由来の幹細胞から取り出した成長因子は
AAPEと呼ばれ、毛母細胞や髪の周辺にも存在する
幹細胞も刺激するとされています。
注入する際はAAPEだけでなく
ビタミン類やシスチンなどのアミノ酸も混合させるようで
それをHARGカクテルといいます。
それにより発毛サイクルの狂いを是正させ
休止期の髪を叩き起こすなどの効果を発揮し
薄毛が解消されていくといった具合です。
幹細胞を使用しているということで
再生医療のひとつと位置づけられていて
専門の研究会といった組織もあるようで
携わる医師は論文を執筆したり
学会で発表なども行っているようですね。
このような説明を見ていくと、
なるほど、これは画期的で凄そうだと
感じるのが普通だと思います。
ただ、情報は鵜呑みにしないのが基本です。
注意深くいろいろ見ていると
どうも効果は微妙だと感じてしまいます。
・ハーグの効果はかなり微妙?
ハーグはつい最近開発された技術ではないので
すでに多くのクリニックで実施されています。
そのためビフォーアフター写真や
口コミ情報などがいろいろ散見できます。
個人的な感想としては
効果は確かに微妙だと思いました。
事後写真は一見説得力がありますが
少し増えたかな?というものが目立ちます。
そしてもともと大した薄毛でない人が
対象になっている写真が多く、
生粋のAGAっぽい人はあまり見当たりません。
仮にツルツルの人がフサフサになってるような
写真があれば「お~!」となるものですが
そういうのは見たことがありません。
女性の症例も見受けられますが
女性はそもそも男性とベースが違いすぎるので
あまり参考にはならないと思います。
そして治療方針自体も曖昧な点が含まれていて
根拠も乏しい点も見逃せません。
ハーグは特殊なタンパク質である成長因子と
各種栄養素を混ぜたものを注入します。
あと、クリニックによってはそれと同時に
プロペシアやミノキシジルなどの薬も
同時並行でやっていくよう勧めるところもあります。
それだと何が発毛に貢献してるのかわからないので
本当にAAPEが効果的なのか不明瞭になります。
似たような技術に育毛メソセラピーがありますが
それは皮膚細胞由来の幹細胞を使用しており、
フィナステリドやミノキシジルを混ぜて使われてます。
治療による違いは成分の微妙な違いだけで
どちらがいいのかも不明瞭です。
もしかしたら従来から定評がある薬を入れてるほうが
有効かもしれない可能性だって考えられます。
・発毛率99%という表記が気になります
ハーグの宣伝でそのような表記が目を引きますが
それはかなり曖昧かつ誇大広告のように感じます。
発毛は髪が生えるという意味合いがあるので
たとえ産毛でも生えたと言えてしまいます。
そもそも成長因子をたくさん注入したからといって
本当に効果的なのかは根拠が曖昧なままなようで
症例数も論文も少ないのが現状です。
それでその強気な宣伝はどうなのかと思えてなりません。
最近は男性ホルモンをブロックするとされる成分を
新たに塗布する試みも出てきてるようですが
どうもやってることはこれまでのAGA対策と
大差ないように見えます。
ハーグカクテルは注入してからある程度は
効果が持続するそうですがそれがどのくらいかは不明で
植毛のように一生続くとは考えにくいです。
これらのことを踏まえると
ハーグの効果というか技術そのものに
懐疑的にならざるをえない状況です。
それに何十万もの投資が必要かどうかは
じっくり考えてみることをおすすめします。