・必須アミノ酸のイソロイシンについて
今回からしばらく個々の成分と育毛について
いろいろ考察していきたいと思います。
まずは人間の体を構成する最も基本的な成分である
アミノ酸からはじめていきます。
今回とりあげるのはイソロイシンというアミノ酸です。
あまり馴染み深くないかもしれませんが、
必須アミノ酸かつ髪の毛の成分のひとつとなる重要な成分です。
必須アミノ酸は体内で造られないということで
食べ物から摂取しなければならないものです。
育毛剤やサプリメントにもよく配合されてるので
育毛的にも重要なのだと一般的には多少認識されてる感じです。
いろいろな病気の予防にも役立つと言われており、
近年注目度が高まっているとされていますが
果たしてどの程度の力を秘めているのでしょうか。
・イソロイシンは健康維持に重要な物質だが…
ここからもう少し詳しくイソロイシンについて
考察していきたいと思います。
イソロイシンはアミノ酸のひとつで、
BCAA(Branched Chain Amino Acids)のひとつでもあります。
それは日本語に訳すと分岐鎖アミノ酸といいます。
筋肉の約35%を構成するアミノ酸で
運動時のパフォーマンスに主に影響すると言われています。
例えばスタミナの持続、筋肉の維持、疲労感の緩和、
運動能力自体の向上、そして肝臓の保護にも関わるといいます。
イソロイシンだけを見ると筋肉や肝臓以外にも
血管の拡張や成長、神経の働きを助ける機能もあり、
血糖値の常勝を抑制することから
糖尿病の予防にも期待されているそうです。
そして髪に対する効果について言えば、
髪の毛はタンパク質のケラチンでほとんど構成されてますが、
そのうちの約5%がイソロイシンとのこと。
イソロイシンが不足すると皮膚炎が起こるとも言われており、
刺激が少ないという特徴からシャンプーやリンスなどにも
配合しているものがあります。
ケラチンは髪の潤いにも関わっていることから
それを外側からケアするとより良いと考えられてるのかもしれません。
また、アミノ酸ということで安全性が高いことも
考慮されていると考えられます。
このようにいろいろな特徴を見ると、
確かに髪と関係していると言えるでしょう。
しかし、だからといってイソロイシンだけに
注目しても意味がないともいえます。
・イソロイシンは育毛意識で摂るものではない
確かにイソロイシンの効能をみると、
髪の毛の健康にも間接的に関わるものが多く
育毛的にも有用であると感じられるところもあります。
糖尿病は体全体にダメージを及ぼす恐ろしい病気であり、
肝臓は解毒を担うすごい臓器なので髪の健康にも一役買います。
ただイソロイシンだけで体の健康そのものを
左右できるものではなく、他の物質と相互作用することで
はじめてその効能が活きてくるものです。
それは他の成分でも全く同じことがいえます。
また、髪の毛の構成要素のひとつだから育毛にもいい、
という意見もよく見かけますがそれはかなり雑な考えだと思います。
まずイソロイシンは髪の毛のほんの一部を構成するものでしかなく、
「髪が伸びるという仕組み」に大きく関わっているとは言えないので
育毛に良いという表現は誤解を生みかねません。
よってイソロイシンはどちらかというと
運動機能(筋肉)との関連のほうが深い物質であり、
育毛という意識で摂取するものではないのではないでしょうか。
必須アミノ酸ではありますが含まれる食材は多岐に渡るので
不足することもまずないですし、無理にサプリを買って
飲む必要性もないと考えられます。