新たな育毛成分の発見や開発といったニュースは
アメリカが多い感じですがめずらしくフランスから発表された成分があります。
それがプロキャピルです。
タイピングも口でいうのも若干難がある名前ですが、
育毛効果が高いと一部から称されている成分です。
プロキャピルというのは単体で存在する物質ではなく
3つの成分からなるもののようです。
オリーブの葉から抽出されたオレアノール酸と
ビタミンB群の一種であるビオニチドペプチド、
そしてフラボノイドの一種のアピゲニンから成っています。
オレアノール酸は5αリダクターゼを阻害する作用があり、
ビオニチドペプチドは細胞の働きを活性化、
アピゲニンは頭皮の細胞に働きかけるとのこと。
5α(アルファ)リダクターゼはご存知の方が多いと思いますが
男性型脱毛症(AGA)の原因物質である
ジヒドロテストステロンを生み出す還元酵素のことです。
AGAを改善させるためにはそのプロセスが最も基本かつ最も重要な対策になります。
ビオニチドペプチドで活性化される細胞は
髪の毛そのものに変化する毛母細胞のことで、
丸善製薬株式会社の発毛試験によると
半年で107%も増殖が確認されたといいます。
アピゲニンが作用するのは繊維芽細胞というもので
ヒアルロン酸やエラスチンを作り出す細胞して知られ、
頭皮や血管の柔軟性にも重要とされるものです。
(試験により繊維芽細胞が128%以上増殖したとされます)
それらの複合的な効能によりプロキャピルは
かの有名なミノキシジルと同等の効果があると豪語されてます。
それに成分自体は天然の植物から抽出されたものが主体なので
ミノキシジルのような副作用(ニキビなどの皮膚炎、動悸、
血圧の低下など)は一切ないとされてます。
たしかにその説明をされると画期的な成分に思えますが
とりあえず鵜呑みにしすぎないほうがいいです。
なぜならミノキシジルと立場が違いすぎるからです。
たしかにミノキシジルもいろいろな副作用があることで
知られており心臓に不安を抱える人が使えないなどの
欠点がありますが育毛効果は公に認められています。
臨床試験も大規模に行われた経緯があるので
育毛効果があることは世界的に認められています。
しかしプロキャピルはミノキシジルほど
大々的に試験や研究が行われたという報告がないので
どれほど効果的かは未知数なものと言えます。
よってプロキャピルの育毛剤やシャンプーは
薬に抵抗がある方や試しにそれも併用してみたい
という方はとりあえず使ってもよいというレベルだと思います。
もし育毛効果がものすごく優れているのなら
日本皮膚科学会もガイドラインで言及しているはずです。
今のところプロキャピルはリストに載ってませんが
おそらく評価されるとしたらC1あたりだと思われます。
※C1とは上から3番目の評価ですが
用いてもよいが十分な根拠がないというもの