界面活性剤の種類と特徴について|分類は成分の見方により変わる

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科学が発達したおかげでシャンプーや洗剤をはじめ
汚れを簡単に落とすことが出来るものが数多く登場しました。

それらの洗浄力を支えているのが界面活性剤です。

その名称はかなり知れ渡っているのでご存知の方も多いと思います。

本来は混ざらない水と油をなじませることができるので
頭皮や食器の油汚れを落とすことが可能になるのです。

他にも乳化作用や帯電予防・殺菌などの用途もあります。

一口に界面活性剤といってもいろいろな種類があり
それぞれ特徴も少し違います。

今回は界面活性剤の概容的なお話をしようと思います。

界面活性剤は全部で6種類あります。

天然系
石鹸系
脂肪酸エステル系
アミノ酸系
高級アルコール系
石油系

勘違いしやすいのは石けんも合成界面活性剤の一種であり
それが含まれていないシャンプーは基本的にありません。

一部天然の泥などを主成分にした製品を除き
洗浄剤といわれるものは例外なく界面活性剤が入っています。

そのため界面活性剤が入っていない・不使用などの表記は
間違っている・もしくは意図的につけられた可能性が高いです。

よって選ぶ際はその点も考慮する必要があると思います。

合成とは人間が科学的に作り出したものに冠せられるタイプで
元から界面活性剤の能力を有したものが本当の天然物となります。

よって見方によってそれぞれの区分け方が異なるわけです。

科学的な見方では天然系以外は全て合成系であり、
原料で見ると天然からアミノ酸系の4つが天然界面活性剤で
高級アルコール系と石油系が石油系界面活性剤となります。

界面活性剤は天然のものや人工的なものもあり体への負担も様々

ではそれぞれの界面活性剤の特徴をみていきます。

・天然系

カゼイン・レシチン・サポニンの3種類がります。

カゼインは牛乳に含まれるタンパク質の一種で乳化作用があり、
レシチンは卵黄や大豆に含まれる両性界面活性剤で、
マヨネーズをはじめ多くの食品に使われています。

サポニンは糸瓜(ヘチマ)やお茶に含まれており
泡立ちが良いという特徴があります。

レシチンは一部の化粧品にも使われていますが
天然系界面活性剤は主に食品に使われているものになります。

・石鹸系

天然油脂に苛性ソーダを反応させて作られるもので
原料が安全だとよく謳われています。

しかし少々強いアルカリ性なため
肌が弱い方は弱酸性に戻りにくく注意が必要。

ラウリン酸Na(ナトリウム)をはじめ
ステアリン酸Naやオレイン酸Naなどがある。

・エステル系

脂肪酸とグリセリン、またはショ糖などを反応させて作られ
刺激が少ないことで有名で多くの化粧品に使われています。
(洗浄剤として使われることはほぼありません)

ラウリン酸スクロースやミリスチン酸スクロースなどがあります。

・アミノ酸系

石鹸の脂肪酸とナトリウムの間に
アミノ酸をくっつけた形の界面活性剤で
刺激が少ないうえきめ細かな泡立ちがあり
環境にも優しいことで近年よく使われます。

代表的なものにココイルグルタミン酸Naや
ラウロイルメチルアラニンNaなどがあります。

・高級アルコール系

高級アルコールから作られるタイプで
ヤシ油などからとれる脂肪酸や石油が原料に作られます。

高級とは高価とかリッチなという意味ではなく
炭素数が6個以上存在するという意味になります。

種類にはラウレス硫酸ナトリウムや
ラウリル硫酸ナトリウムなどがあります。

・石油系

高級アルコール系は植物から作られる場合があるのに対し
石油系は文字通り石油からのみ作られる界面活性剤です。

種類には側鎖アルキルベンゼンスルホン酸Na(ABS)や
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸Na(LAS)、
オレフィン(C12-C14)スルホン酸Naなどがあります。

価格が安価ですが今は高級アルコール系が主流となっています。