男性ホルモンの一種であるテストステロンは
脱毛症で苦しむ人にとって天敵扱いされがちな物質。
脱毛を大幅に促進する
ジヒドロテストステロンの材料になっているからです。
(詳しくは男性型脱毛症の記事を参考に)
でもテストステロンにはいろいろな役割があるため
減らすことは非常に危険なのです。
減るとどうなるかと言うと、
簡単にいえば男性らしさが失われていきます。
テストステロンは筋肉の増強、やる気、
性欲などを司るホルモンです。
ホルモンが減ることはそれらの機能が
衰えることになるのです。
下手をすると女性化乳房を発症したり
男性更年期障害に陥ります。
通常は減ることはほとんどありませんが
抗アンドロゲン剤を用いるとその危険性があります。
あと一般的に加齢でもテストステロンの分泌量は減ります。
年を取ると性欲などの意欲がなくなるのはそのためです。
ちなみに、テストステロンは総量より
遊離している量のほうが重要です。
テストステロンは性ホルモン結合グロブリン(SHBG)や
アルブミンなどのタンパク質と結合しているものと
何とも結合していない単体の状態で
血中を流れているものの2種類があります。
男性型脱毛症の原因であるDHTを生み出す酵素である
5αリダクターゼは遊離テストステロンのみに結合します。
参考までに計算式を載せておきます。
遊離テストステロン値=(総テストステロン値 ÷ SHBG) × 100
よって脱毛症対策としては
テストステロン自体を減らすのではなく
プロペシアなどを用いて5αリダクターゼの活動を
抑制することが大事になります。
脱毛は男性ホルモンの感受性も関係してるので
テストステロンが増えることをしたからといって
必ず脱毛症に発展するとは限りません。
しかしだからといって
増やしすぎることもいいとはいえません。
かえって攻撃的な行動をとるようになったり
逆に男性ホルモンを自力で分泌する能力が
衰える危険性があるからです。
脳下垂体という器官からLH(性腺刺激ホルモン)という
ホルモンが分泌されますが、それが精巣に働きかけて
男性ホルモンを分泌するよう命令を出しています。
ところが男性ホルモンが十分に分泌されてると
LHの分泌が抑制するようになっています。
すると精巣内のライディッヒ間質細胞が
使われる機会が減る、すなわち機能低下が起こり
男性ホルモンの分泌に影響するのではないか、
と言われています。
まだその辺は明確に分かっていませんが、
ホルモンバランスが崩れることは
健康に害を及ぼすのはすでにわかっていること。
まとめると薄毛を治したいからといって
テストステロンの分泌量などを
意図的に操作することは得策ではないということです。
サプリメントがいろいろ発売されてるようですが
服用量は十分注意してほしいと思います。