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ビタミンB3(ナイアシン)の効果は興味深い
ビタミンB3はその名の通りビタミンB群の一種で
ナイアシンとも呼ばれます。
他のビタミンB群と同じく糖や脂肪・タンパク質の
代謝に必要なものです。(代謝=体内の化学反応)
ビタミンB2と同じく皮膚や粘膜の健康にも関係しています。
代謝には酵素が使われるわけですが
酵素の補助的な役割を果たす物質を補酵素といいます。
ビタミンB3は400種類以上の酵素の補助をする
役目があると言われるのでとても重要な物質であることがわかります。
(補酵素としては体内で最も役割が多いと言われています)
(実際はもっと多いかもしれません)
酵素は生物が生きるうえで欠かせない
栄養の吸収や消化・排泄などなど
非常に多くの反応を助ける分子です。
もちろん髪の毛の成長にも酵素が関係しています。
育毛という観点からするとビタミンB2の方が注目されてますが
もちろんそればかり見ていてはいけません。
栄養素は互いが助け合うことで本領を発揮するもので、
ビタミンB群は特にそうだといえます。
ビタミンB3も他のビタミン類と同じく
粘膜や皮膚の健康維持に役立っており、
DNAやホルモンを作ることにも関係しています。
要は肌の生まれ変わり(新陳代謝)にも深く関わっているので
当然のことながら髪の毛の健康にも関係しますよね。
次に重要なのが肝臓の働きを助ける効果です。
二日酔いを防ぐ働きとも言えます。
飲酒によりアルコールやアセトアルデヒドといった
毒素を分解する必要性が出てきますが
その際にもビタミンb3(ナイアシン)が使われます。
普段から飲酒する人は多いですし、
育毛に努める人は薬も飲んでる人も多いです。
それは普段からナイアシンを消費する生活でもあるわけです。
毒素の分解も有り難いですが
そればかりに回していてはもったいない気もします。
そして血行促進効果もあります。
これは血管を広げるために起こる効果で
それを応用して薬としても使用されることもあります。
脳などの神経の働きを良くしたり、
動脈硬化、脂質異常症、悪玉コレステロール値の定価、
脂質の代謝を促進(中性脂肪の減少)にも貢献すると言われます。
また、統合失調症の治療にも用いられたり
糖尿病の予防や改善、メニエール病の症状緩和にも効果を発揮します。
※メニエール病とはひどいめまいや難聴、耳鳴り、耳閉感の総称。
ビタミンB3は育毛にどれだけ良いのか
皮膚の健康や解毒に重要ということは良いとして、
肝心の育毛に対してはどれくらい効果的なのか、
結構気になるところだと思います。
どうもいろいろ情報を見渡してみても
ビタミンB3(以下ナイアシン)が
特に育毛に特化した効果があるわけでは
なさそうに思えました。
よく挙げられる根拠が血行促進です。
が、ほぼそれ以上の情報はありません。
育毛剤やサプリなどにもよく配合されてるので
さぞかし良いだろうという印象があるかもしれませんが
特にそれがキーとなってる感じではありません。
あくまで育毛に良さそうな成分の一つとして
配合されてるに過ぎないという感じです。
ちなみに育毛製品にはニコチン酸アミドと
表記されてることもあります。
(ナイアシンはニコチン酸アミドとニコチン酸の総称)
もちろんだからといって軽視していいわけでもないのは
先ほどの基本的な効果の部分で説明したとおりです。
そもそも不健康だと丈夫な髪は育たないので
摂らない理由はありません。
といっても不足はあまり起こらないので
普通の食事で十分摂取することは可能です。
(調理しても効果があまり失われない特長もあります)
よってサプリで摂取する必要性はほぼないです。
欠乏も過剰摂取もほとんど起こりませんが
お時間があるなら下記も参考にしてみてください。
補足:流産とナイアシンの関係について
育毛と話題は離れますが興味深い内容だったのと、
考え方的には共通する部分があったので
この取り上げてみたいと思います。
それは流産との関係についてです。
2017年8月10日にオーストラリア・シドニーの
ビクター・チャン心臓病研究所という機関が、
ナイアシンの摂取によって流産や
胎児の先天性異常を防げるという研究論文を
ニューイングランド医学ジャーナルに投稿しました。
それによるとNADという成分が妊婦の体内で不足することで
胎児の発達に影響を及ぼすことがわかったので
ナイアシンサプリは流産や先天異常に良いという。
NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)は
ナイアシンを摂取したあとに体内で作られる成分です。
奇形や流産も由々しき問題なので
悩んでる人にとっては朗報かもしれませんが
まだ本当に効果的かははっきりしないようです。
オーストラリア・ニューイングランド産婦人科学会は
無作為比較試験で確認するまで
医学的な大発見というのは時期尚早と警告を発しています。
たしかにまだマウスによる実験レベルの話なので
人間に対してどの程度有効なのかはまだ未知数です。
あと妊婦に対して過剰摂取は危険なので
今のところは推奨量の1日18mgを守るべきだとも
産婦人科学会は警告しています。
育毛の話でもこの成分が良いという話は腐るほどあり、
単独の成分でどうこうできる話でもありません。
今回の話題も一部分にフォーカスしたことですので
現時点ではなんだかなぁという感じですね。
本当に流産や先天異常の原因が
ビタミンB3だけなのかもわからないというか
むしろ生活習慣の悪さの方が大いに疑われます。
現代人(文明人)は化学物質漬けの生活を送ってるので
それが胎児に影響してると考えるのがふつうです。
もちろん遺伝的に何かがある可能性もあると思いますが
それでも生活習慣を気をつけるべきなのは変わりません。
特に食べ物の質には気をつけてくださいね。
これは育毛はもちろん健康全般に関わることです。
2017年8月18日
基本的な効果を追記
育毛との関係、流産との関係を追加