ミノキシジルが腎臓にも副作用を起こす可能性とメカニズムについて

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ミノキシジルは育毛を促進する効果が高いとして
プロペシアと並んで高評価を得ている医薬品です。

しかし副作用がプロペシアより強いことでも有名です。

血行を促進する作用があることから心臓への負担が広く知られています。

でも腎臓への負担も指摘されてることは
あまり知られていないのではないでしょうか?

特に注意していただきたいのは内服タイプのミノキシジルタブレットです。

なぜミノキシジルが腎臓と関係しているのか、
メカニズムを簡単に説明したいと思います。

ミノキシジルは薬の分類的に
ATP感受性(依存性)カリウムチャネル開口薬です。

ATPとは体のエネルギーの元となる物質で
カリウムチャネルとは細胞膜に存在する分子のことです。

カリウムチャネルは体の細胞のほぼ全てに存在し
それが開いたり閉じたりすることで細胞の健康を維持しています。

ATPが受容体から離されるとカリウムチャネルは開き
血管が弛緩(しかん)して心拍数が上がります。(血流促進)

しかし、カリウムチャネルが開いていると
膵臓(すいぞう)ではインスリンの分泌が抑制される性質があります。

インスリンとはホルモンの一種で
体の中で血糖値を調節することができる唯一の物質です。

よってインスリンが不足すると糖尿病になる危険性が高まります。

腎臓は血液から余分な成分をろ過する臓器であり
塩分や糖分量を調節する役割もあります。

血糖値が高いとそれだけ腎臓への負担が大きくなり
腎不全を起こす大きなきっかけとなってしまいます。

流れを簡単に表すと、

カリウムチャネルが開く

インスリンの分泌が低下

血糖値が上昇する

腎臓への負担増加

ということになります。

ミノキシジルタブレットは腎臓への悪影響も懸念されるリスクが高い薬剤

FDA(アメリカ食品医薬品局)はミノキシジルタブレットの副作用に
腎性全身性線維症や多臓器不全が出ることがある
と報告してるので腎臓とも関係が深いと思われます。

※腎性全身性線維症とは腎不全患者や
透析患者が皮膚の腫れや硬化・疼痛などが起こり
四肢が動かせなくなる疾患のことです。

よって心臓や肝臓だけでなく腎臓に疾患がある方も
ミノキシジルの使用には注意する必要があります。

頭皮に塗布する外用タイプは内服タイプより
比較的安全とは言われますが腎臓が弱い方は
念のため使わないほうが無難ですね。

⇒ミノキシジルタブレットの注意点