体に何百個と存在する経穴(ツボ)は一般的によく知られるようになって来ました。
ツボ押しは東洋医学に部類するものですが、
健康効果が徐々にわかるようになってきたことで
WHO(世界保健機関)も効果があると認めているほどです。
ツボは神経の交差点に位置するもので、
漢方的に気が流れる経絡が交わるところと解釈されており、
刺激することで神経の流れがスムーズになり
体の様々な不調を改善に導くとされています。
つぼのひとつひとつには名前がついており、
中でも一番有名で重要なのが「百会(ひゃくえ)」です。
ご存知の方も多いと思いますが頭のてっぺん付近に存在するツボで、
押すと指の大きさくらいに凹んでるのがわかります。
そのツボの名前の由来は、
多種多様な経絡が出会う(交わる)ということで、
全ての臓器と繋がっているとされる最重要なツボです。
一般的にわかっている百会の効果は、
抜け毛や肌荒れをはじめ、目の疲れや鼻詰まり、
眠気・頭痛・頭重感・耳鳴り・めまい・肩こり、
血行不良や低血圧の解消など実に多岐に渡ります。
なぜそんなにも多くの不定愁訴に働きかけれるのかというと、
自律神経を安定化させることに秘密があるのではないかと思います。
自律神経とは自分の意思ではコントロールできない
心臓の鼓動や腸の運動、血管の収縮などを司る生命維持の根幹ともいえるものです。
自律神経は交感神経と副交感神経に分かれており、
昼などの活動的な時間は前者が働き、
夜などの就寝時には副交感神経が働いて
体をリラックスさせ健康バランスを保っています。
ところが現代人はどちらかというと交感神経が働く時間が長くなってしまっており、
自律神経のバランスが崩れがちになっています。
例えば仕事上でのストレスが昔と比べて増えたり、
夜遅くまで起きてる機会が増えたり生活習慣がめちゃくちゃな人だらけです。
ちなみに交感神経は血管を縮ませる特徴があるので
慢性的に血流が悪い人が多いと考えられます。
そういうことが関係して生活習慣病が低年齢化したり
薄毛に悩む人が多くなってると思われます。
百会のツボは自律神経と直結しているといわれており、
刺激することで神経のバランスを整え、
いろんな不調を改善に導いていくのです。
上記の効果以外にも立ちくらみや二日酔い、乗り物酔い、
そして更年期障害の軽減にも繋がる可能性があります。
もちろん薬や手術とは違うので
刺激したらすぐに効果が現れるわけではないので
地道に続けていくことが大事ですね。
ただし強く押しすぎると毛根や毛細血管を
痛める可能性もありますので痛気持ちいいという感じを目安にします。
あと頻繁にやるのではなく風呂で行うのが最適です。
手が比較的綺麗ですし、ただでさえ血行もよくなってるので
より効果を高められるからです。
特に決まった回数はないですが多くて20回程度でよく、
なるべくゆっくりめにじんわり押して放すを繰り返す感じで。
ちなみに百会の周辺には薄毛にいいとされる通天、
フケによいとされる神庭(しんてい)というツボもあるので
周辺を軽く揉んでも良い刺激となります。