髪の毛はアミノ酸で構成された器官であり
食べ物から栄養を補給することで出来上がります。
その中でも、これは髪に良い・これは薄毛を促進させるなど
いろいろ論じられることが多いですね。
それで何が本当に良いのかわからない方も多いと思います。
本当に髪に良い食べ物は何かというと、
必ずこれがいいと決定することはできないのです。
なぜなら人により体質が異なりますし
食べ物の性質もそれぞれ異なるからです。
今回は食べ物の性質についてのお話です。
【食べ物の性質を決める第1条件「五行原理」】
中国では五行論という考え方が古くからあり
人間の生体機能などを5つに分類したものですが
それは食べ物や漢方薬にも当てはめられています。
肝木(かんもく)部分に一番作用するのは「木性食物」
心火(しんか)部分は「火性食物」
脾土(ひど)部分は「土性食物」
肺金(はいきん)部分は「金性食物」
腎水(じんすい)部分は「水性食物」
と、五行論では定義されています。
※肝木は肝臓や神経系、心火は心臓や脳、
脾土は膵(すい)臓や胃腸、肺金は肺臓・咽喉・気管支など、
腎水は髪・生殖機能などのことを指します。
食べ物や漢方薬によって体のどの部分に
効果的かが全然違うということです。
そして産地・色・味がほぼ五行原理と一致することが分かっています。
(産地は中国を例に取る)
木性食物 ⇒ 東方 青・緑系 酸味
火性食物 ⇒ 南方 赤・茶系 苦味
土性食物 ⇒ 中央 黄・橙系 甘味
金性食物 ⇒ 西方 白・無系 辛味
水性食物 ⇒ 北方 黒・灰系 鹹味(かんみ)
※鹹味とは塩からい味のことを指しますが
漢方的には単にしょっぱいという意味だけではなく
旨みも含まれるといわれています
【食べ物の性質を決める第2条件「温涼・補瀉」】
食べ物の性質は五行だけでなく温涼(おんりょう)と補瀉(ほしゃ)という
2つの条件が重なることで初めて決まります。
温涼とは読んで字のごとく体を温めるか涼める(冷たくする)ことを指します。
補瀉とは足りないものを補う「補法」、
身体に不必要なものを排出する「瀉法」のことを指します。
温涼条件で食べ物を分類すると、
「温熱食物」と「寒涼食物」の2種類に分かれます。
漢字が4種類出てくるのは体を温める・冷める作用の強さを表しています。
体を温める作用が比較的弱いのが「温」
温める作用が強いのが「熱」
体を冷ます作用が比較的弱いのが「涼」
冷ます作用が強いのが「寒」
寒タイプの人には良いけど熱タイプの人に悪いのが温熱食物
熱タイプの人には良いけど寒タイプの人に悪いのが寒涼食物
ということになります。
次に補瀉条件で食べ物を分類すると
「補性食物」と「瀉性食物」に分かれます。
虚タイプの人には良いけど実タイプに悪いのが補性食物
実タイプの人には良いけど虚タイプに悪いのが瀉性食物
ということになります。
長くなりましたが、
「五行」と「温涼・補瀉」の条件を知ることで
自分に合った食べ物が初めて分かるのです。