bmpと毛髪の関係について|女性の薄毛と深い関わりが?

シェアする

スポンサーリンク

前回の記事ではエフリンという成長因子(タンパク質)の一種が
毛根の形成に関わっているというライオン株式会社の研究などを
紹介しましたが今回もそれと関連したお話になります。

ライオンは女性の薄毛についてもかなり研究しており、
エフリンと同じくBMPというタンパク質も
髪の成長と大きく関わっていることが判明したといいます。

BMPとはBone Morphogenetic Protein
(ボーン・モルフォジェネティック・プロテイン)、
日本語に訳すと骨形成因子という名になります。

その名の通り骨の形成に関わるタンパク質として知られていますが、
それ以外にも髪と関係する作用があることもわかったのです。

BMPはケラチンの生合成を高める作用もあるのです。

ケラチンもタンパク質の一種ですが、
それは髪の毛の大部分を占める成分として有名です。

そして興味深いのが女性ホルモンとの関わりについてです。

ライオンと徳島大学医学部皮膚科学教室の共同研究によると、
女性の毛乳頭細胞(※)を培養する実験において
女性ホルモンを添加したものとそうでないものに分けました。

すると添加した方の毛乳頭細胞はBMPの減少が抑えられ、
そうでない方とは明らかに差があったといいます。

そしてBMPと関係する遺伝子を活性化させる効果も確認されたといいます。

※毛乳頭細胞とは髪の毛の一番根本にある組織のことで
ここから髪の毛に必要な栄養分が取り込まれます。

bmpは女性ホルモンと関係が深いたんぱく質で女性の薄毛との関連があるのでは?といわれている

少し話が難しくなりますが、
ホルモンは細胞内にある受容体というタンパク質と
結びつくことではじめてその作用を発揮できる物質です。

その受容体はホルモンごとに異なっており、
女性ホルモンにも専用の受容体が存在します。

女性ホルモン受容体はER-αとER-βという2種類存在することがわかっています。

ERというのは「Estrogen receptor(エストロゲンレセプター)」の略で
エストロゲンという女性ホルモンの受容体ということになります。

更に深い話となるとメカニズムが明らかになってませんが、
今回の研究においてα(アルファ)のほうの受容体では
髪が成長段階へ行くことを邪魔することが判明したといいます。

つまり休止期(髪が成長を止めて休んでる状態)から
成長期(髪がどんどん伸び続ける時期)へと移るのを妨害しているってことになります。

逆にβ(ベータ)の方はBMPを増やす作用が確認されました。

そして女性ホルモンで活性化する受容体は
βの方であることも同時にわかったといいます。

まとめると、
BMPというタンパク質が発毛と深い関わりがあり、
BMPは女性ホルモンの量によって分泌量が変わるということです。

この研究により年齢を重ねるなどして女性ホルモンが減ると
髪の毛にコシがなくなったり全体的に薄くなってくるという現象の
メカニズムの一部が明らかになったと言えそうです。

女性ホルモンとの関連性が高そうなので
男性の毛乳頭細胞ではどう働いてるのか不明ですが、
今後さらに研究が進んでくれることに期待しましょう。

<関連記事>

BMPを増やせるとされる成分

毛根を増やすとされるタンパク質「エフリン」

スポンサーリンク

シェアする